現在、会社勤めとして働かれているシステムエンジニアの方が、年収をアップさせたい場合、社内で実績を積み重ねて昇格・昇給する方法が定石となります。
しかし、容易に昇格・昇給を望むことができない場合、これまでの経験を活かしフリーランスとして独立する方法を取る方もいらっしゃることでしょう。
では、システムエンジニアがフリーランスとして独立すると、本当に年収を上げることができるのか、独立するための方法や独立後の活躍、年収のアップに役立つ資格についても解説していきます。
システムエンジニア(SE)のフリーランスの平均年収はどのくらい?
まずフリーランスのシステムエンジニアの平均的な年収から見ていきましょう。
フリーランスのシステムエンジニア(SE)の平均年収は会社勤めのエンジニアよりも高い
一般的な会社員と同じく、システムエンジニアも年齢が上がっていくと経験も増えていくため、年収が上がっていくと予想されますが、フリーランスのシステムエンジニアの場合には、平均的な年収は世代によって大きく異なります。
フリーランスの場合は、月の案件数が安定しないことから、年収も不安定になりがちです。また、受けている会社の案件によっても、勤務日数や単価が異なるので、収入に変動があるといえるのです。
持っているスキルと能力によっては、年収ベースで1,000万円を超えるエンジニアもいますので、フリーランスのシステムエンジニアの年収は人により変動幅が大きいことがわかります。
参照:厚生労働省「平成29年 賃金構造基本統計調査」
フリーランスのシステムエンジニア(SE)と会社勤めエンジニアとの年収の違い
会社勤めのシステムエンジニアと比較をすると、フリーランスのほうが年収は高くなる傾向にあります。会社勤めとして働いていると、会社ごとの評価制度にのっとり収入が決まるため、昇給のチャンスが年に数回と定められます。
しかし、フリーランスの場合はスキルや能力に合わせて案件を選ぶことができ、稼働時間のすべてが直接収入に結びつきますので、スキル次第では年収を上げやすくなります。ただ、収入の安定性という面では、会社勤めのエンジニアを上回ることは難しいでしょう。
フリーランスのエンジニアのメリット・デメリットとは
フリーランスのエンジニアとして働くことの、メリットとデメリットを見ていきましょう。
個人事業主として働き方が自由
フリーランスの場合には、個人事業主として働くので、働き方が自由というメリットがあります。フリーランスのシステムエンジニアの中にも、常駐型と在宅型の働き方があります。
常駐型の場合は会社勤めと同じように出社して働きますが、雇用形態は業務委託となるので、正社員ではないのが特徴で、案件の掛け持ちをすることも可能な働き方です。
在宅で仕事を受ける場合には、企業からの案件を自宅で作業するのが特徴となります。どこでも仕事ができるので、自由業とも呼ばれるのがこの働き方です。
しかし、システムエンジニアの場合は、システムを構築するのが主な仕事内容です。事業規模やシステム規模が大きくなるにつれて、セキュリティの問題や、常駐型よりも情報共有が難しいことから、在宅の案件は少ない傾向にあります。
経験と実績がなければ年収は下がっていく
ある程度収入が保証されている会社勤めとは異なり、フリーランスの場合には、仕事に関する責任の多くが自分にある、といえるでしょう。スキルが無いのであれば、仕事がなくなってしまい収入がなくなる危険性があります。
ですので、スキルアップのために、日々の努力を怠らないことが、フリーランスエンジニアに求められます。仕事の案件だけではなく、経験や知識を増やすことができれば、仕事を獲得する上で大きな武器となります。
挑戦を止めないチャレンジ精神があると、仕事の実績を積み重ねることができ、積み重ねた経験は仕事を得るために必要なこととなります。
スキルが高ければ単価の高い常駐案件をできる
フリーランスという働き方は、スキルが収入に直結する働き方です。スキルが高く、難しい案件をこなすことができれば、単価の高い案件も担当することができるようになります。難しい案件を担当することができれば、さらにスキルが上がり、単価の高い案件がさらに単価の高い案件につながり、良い循環が生み出されるのです。
単価の高い案件を多数持つことができると、仕事も安定し年収も上がっていきます。もちろんエンジニアとしてのスキルだけではなく、コミュニケーション能力や自己管理能力もフリーランスとして働いていくには必要となります。総合的なスキルが求められますが、向上したスキルの分だけ、年収を上げることができるのがフリーランスという働き方です。
フリーランスのシステムエンジニア(SE)が失敗しない年収の上げ方
フリーランスのシステムエンジニアとして失敗しないためのポイントをご紹介しましょう。
フリーランスエンジニアに役立つ資格を取得しておく
フリーランスとして働くには、資格を所持していると自分が持っているスキルの証明になるので信頼性が高くなります。システムエンジニアとして持っておくべき資格はありませんが、有利にはたらく資格はあります。会社勤めのエンジニアでいるより、フリーランスの方が取得することのメリットは大きいでしょう。
国家資格である「情報技術者」や、ベンダー資格である「Linux技術者認定」「オラクルマスター(ORACLE MASTER)」「シスコ技術者認定」などは、フリーランスのシステムエンジニアとして所持しているとよい資格です。
フリーランスのエンジニアに限った話ではありませんが、企業としては、知識や経験を持っているシステムエンジニアに担当して欲しいと思うもの。資格があると、相応の知識や経験を持っていると判断することができるため、知識の有無を判断する材料として資格は有効な手段となっています。
独立する前にスキルアップをしておく
フリーランスとして独立して働き始める前に、プログラミング以外の知識や技術を身につけておくことは、独立後の安定した仕事の獲得につながります。システムエンジニアから、テスト工程や品質管理といった他領域に携わることや、システム開発における上流工程へ挑戦することは、スキルアップに良い方法です。
まとめ
フリーランスのシステムエンジニアとして、年収をアップさせるには自分のスキルを向上させることが必要不可欠です。
システムエンジニアは、会社勤めであっても、他の業種と比較をすると年収が高水準となっていますが、フリーランスとして働くことで、さらに年収をアップさせることも可能です。フリーランスエンジニアとして、安定して仕事を獲得することができるシステムエンジニアになるためにも、自分のキャリアをアップさせることを目標に仕事をしていきましょう。